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2023年08月28日

自己免疫疾患は種類が多く治療法も多種類!自己免疫疾患について解説

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人間には免疫力があります。免疫は体に侵入した有害な物質を攻撃して排除したり細胞を修復したり、病気が悪化するのを抑制したりします。人間の健康を維持するための重要な機能です。しかしこの免疫機能に異常が起きると、自ら体内の細胞組織を攻撃する、自己免疫疾患を引き起こすのです。今回は自己免疫疾患の種類や対処法などを解説します。

1.自己免疫疾患とは

人間は細菌やウイルスなどの非自己(幼児期までに体にないもの)が攻めて来たときに、病気にならないように「非自己」を攻撃します。そして自らの体を防御するシステムとして免疫を備えているのです。免疫の本来の仕組みは外部からの有害な非自己の侵入に対して、生体を守るために自動的に働く防御機構です。

1-1.免疫機能に変調をきたすことがある

しかし免疫機能に変調が起きると、まったく無害な自分自身の細胞や組織を、自ら攻撃してしまいます。臓器や関節・皮膚など、体のさまざまな部位に病気を発症させます。これが「自己免疫疾患」です。現在の医学でも、自己免疫疾患の原因は完全には明らかにされていません。それでもタンパク質が変質し、異物として認識されるケースや、タンパク質の構造が似かよっているため、誤って攻撃してしまうケースが見られます。また免疫機能そのものに障害が起きて、発症するケースなども考えられているのです。

近年の研究で自己免疫疾患は白血球に含まれる、リンパ球の60%~80%を占める、T細胞の異常が自己免疫疾患に関係していることがわかっていきました。そこからT細胞の研究が進み、自己免疫疾患の治療薬の研究に重点が置かれ、新薬の開発が進められています。

2.自己免疫疾患の種類

自己免疫疾患は大別すると全身の臓器に症状が出現する、全身性自己免疫疾患があります。また特定の臓器だけ症状が起こる、臓器特異的自己免疫疾患に分けられます。自己免疫疾患に分類される病気はさまざまあり、種類も多いのです。攻撃を受ける部位によって症状が大きく異なります。以下で代表的な自己免疫疾患について説明しましょう。

2-1.バセドウ病

自己免疫疾患の代表ともいわれるパセドウ病は、甲状腺が攻撃され活発に機能しすぎて、甲状腺ホルモン値が上昇する「甲状腺機能亢進症」です。自分自身の細胞を傷つける抗体が自らの甲状腺を刺激して、甲状腺ホルモンが過剰に分泌し症状を悪化させます。

甲状腺ホルモンは人の脳や心臓を働かせ、胃腸の活性化・新陳代謝の促進、体温調節などを調整する役割があります。しかし過剰に分泌すると異常な発汗・不安心理、睡眠障害・体重減少などの全身症状につながるのです。

2-2.橋本甲状腺炎

橋本甲状腺炎は甲状腺が攻撃され、機能低下を起こし、甲状腺ホルモン値が低下する「甲状腺機能低下症」です。パセドウ病とは正反対の症状となっています。甲状腺ホルモン量が不足することで新陳代謝が悪くなり、疲労感がするなど甲状腺ホルモン補充の治療が必要になります。

橋本甲状腺炎の明確な原因は究明されていません。しかし甲状腺を攻める抗体が作られ、甲状腺ホルモンの分泌ができにくくなり、発症する症状といわれています。

2-3.膠原病

膠原病は全身の血管や皮膚・関節・筋肉、内臓などが炎症を起こし、変形を起こす病気の総称です。関節リウマチや、顔面に出現する蝶々の形をした蝶形紅斑が現れる全身性エリテマトーデスもあげられます。また皮膚や内臓が硬くなる強皮症や、血管炎などを発症することがあるのです。

膠原病はさまざまな症状があります。発熱・関節痛・筋肉痛・筋力低下・湿疹、こわばりなどや倦怠感が見られる場合もあります。しかし膠原病もはっきりとした原因は不明です。

2-4.関節リウマチ

関節リウマチは関節に、痛みや腫れが生じる病気です。進行すると関節の変形や機能障害を起こすケースもあります。炎症による間接の痛みや、起床直後や長時間同じ姿勢などで、体を動かさない場合にこわばりが見られます。倦怠感や脱力を感じる患者も多くいるのです。

正確な原因は不明です。免疫機能の異常による関節痛だけでなく、細菌やウイルスの感染・過労やストレス、喫煙・出産やけがなどをきっかけに発症することもあります。

2-5.全身性エリテマトーデス

膠原病で一部触れましたが、全身性エリテマトーデスは神経系統や関節や皮膚に血管から、腎臓や消化器系の臓器まで攻撃され炎症を起こす病気です。発熱や全身の倦怠感に、臓器の腫れや痛みなどを発症することもあります。

全身性エリテマトーデスの根本原因は不明のままです。しかし遺伝要因や感染症など、さまざまな要因で免疫異常が発症するといわれています。

2-6.血管炎

血管炎は、体全身にくまなく走っている血管に、炎症が起こる病気です。動脈・静脈・毛細血管など体の各部分の血管が攻められ炎症を起こし、血流の不具合を起こします。さまざまな組織や臓器が不調をきたす病気です。

血管炎も明確な原因はわかっていません。しかし血管組織の一部や血管そのものを異物と認識し、免疫細胞が血管の中に入り込み、血管炎が発症すると考えられています。

2-7.1型糖尿病

1型糖尿病は、主に自己免疫の影響で膵臓にあるインスリンを分泌するβ(ベータ)細胞が破壊され、インスリンが出にくくなるために起こります。慢性高血糖状態となり糖尿病を発症するのです。若年者に多い病気で、発症のピークは思春期頃です。それ以降は男性女性ともに発症率が低下する傾向にあります。自力でインスリンがほとんど作れないか、まったく作れなくなることが多く、生涯インスリン治療が必要です。

3.自己免疫疾患の治療法と注意点

自己免疫疾患の治療では、主に免疫機能の働きを抑えるための免疫抑制剤を使った、免疫抑制療法が行われます。

ただし免疫抑制剤は不調に陥っている免疫機能だけに働くことなく、正常に働いている免疫機能までも抑えてしまうのです。そこで感染症やがんにかかる可能性が高まる危険性をともないます。また慢性の自己免疫疾患を治療する場合は、長期間にわって薬を服用し、症状を制御することが必要です。根気強く病気の進行を抑制する努力も求められるのです。

3-1.自治体の難病相談窓口に相談

自己免疫疾患は病気の種類が多く、難病もあります。専門的に治療ができる医療機関も限られる場合があります。かかりつけ医が自己免疫疾患の専門でない場合は、専門医を紹介してもらいましょう。また各自治体には難病の相談窓口があります。そこへ相談して自己免疫疾患に詳しい専門医が常駐する医療機関で、受診することをおすすめします。

4.まとめ

今回は自己免疫疾患の原因や症状に、病気の種類を紹介しました。難病もあり重篤な病気も多くありながら、自己免疫疾患は解明されていない部分が多く、現在も研究がすすめられています。近い将来自己免疫疾患改善の良薬が開発され、多くの方々が助かることを期待しましょう。

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