腰痛

腰痛を悩む日本人は3,000万人もいる！その原因と予防方法を解説

二足歩行を行う人間にとって腰痛は避けられない症状といわれています。腰痛に悩む日本人は3,000万人おり、もはや国民病といわれています。 大まかにいえば日本人の4人に1人が腰痛持ちです。そのような腰痛の約85％は原因がはっきりしていません。原因の特定できない腰痛が多いため、治療が難しい面もあり、長い期間腰痛に悩んでいる患者さんも多くいるのです。そのような腰痛について詳しく解説します。

腰痛の症状は個人差ありますが、腰痛に悩む日本人は約3,000万人といわれています。なかでも、40代から60代の働き盛りの年代で発症する患者が多くいます。単純に計算すると、日本人の4人に1人は腰痛持ちといわれるほどで、4人家族だと1人は腰痛に悩んでいる割合です。 厚生労働省の統計『平成28年国民生活基礎調査』の世帯員の健康状況では、自覚症状のある有訴者率の上位症状として、男性の1位が腰痛、女性は肩こりに次いで2位が腰痛です。さらに、日本人の8割以上が一度は腰痛を経験するともいわれるほどで、腰痛は国民病といえます。

1-1. 腰痛の症状はさまざま

腰痛はさまざまな原因で発症し、患者の年齢や体格が異なるように、腰痛の症状も各自で違ってきます。痛みや腰の不調も各個人で違ってきます。また、患者のなかには整形外科に通院して治療を続けても症状が改善しない方もいるようです。このように、腰痛の原因もさまざまで大変厄介な病気です。

腰（脊柱）の何らかの不調や病気が原因して腰痛を発症することがあります。先天異常や側弯症・腰椎分離症や、主に加齢により発症することが多い、変形性脊椎症・脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア・変性すべり症などがあります。また、腰椎骨折や脱臼などの外傷による腰痛や、カリエスや化膿性脊椎炎などの感染や炎症による腰痛に、内臓のガンなどによる腰痛まであるのです。

2-1. 腰以外に原因がある腰痛

病気にかかって腰痛を発症することがあります。解離性大動脈瘤、尿管結石、胆嚢炎や十二指腸潰瘍などです。女性の場合は子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科の病気で腰痛を発症することがあり、また変形性股関節症などの股関節の病気により腰痛を発症するケースもあります。

2-2. 約85％は原因不明の腰痛

腰痛の約85％はしびれやまひなどの神経症状で、重い基礎疾患もなく、エックス線やMRIなどの画像検査では、はっきりとした痛みの原因か特定しきれない「非特異的腰痛」です。長時間中腰や無理な姿勢を続け、背中や腰の筋肉が緊張し続けたときや、加齢と運動不足で腰を支える筋力が弱まっているときなどにも腰痛は起こります。通常は、セルフケアをしていれば短期間で症状は軽くなり、完全に治ることが大部分です。しかし十分に休養がとれなかった場合や、過剰なストレスなどの心理的要因があると、長期化するケースもあります。 また、急性の腰痛である「急性腰痛症」、いわゆるぎっくり腰も非特異的腰痛です。急に無理な体勢で重い物を持ち上げたりしたときなどに起こる腰のねんざや、椎間板・腱・靭帯などの損傷と考えられていますが、正確に傷んでいる部位を断定するのは困難です。

最近増えているのが「心因性腰痛」です。ストレスが原因して腰痛を発症していることがあります。 心理的ストレスが脳機能の不具合を誘発し、睡眠障害・疲労感・頭痛・下痢・便秘・吐き気などの不調や、息苦しさ・動悸などの症状が現れます。同じように腰痛もしばしば現れることがあるのです。 また、心理的ストレスが強まると、ドーパミンなどの痛みを抑える脳内物質の分泌が抑えられ、痛みが起こりやすくなります。さらに、わずかな痛みも強く感じるようになり、痛みも長期化しがちです。このように慢性腰痛の原因としてストレスが大きく影響しているといわれています。

3-1. ストレスから遠ざかる

心因性腰痛は治りにくいといわれています。とにかく、ストレスを取り除くことが重要です。実生活でストレスがまったく無くなることはほぼ不可能ですが、ストレスを忘れるための努力はできます。ジムに通い、無理のない範囲で筋トレやストレッチをすると、一時でも腰痛を忘れられます。また、趣味の音楽やカラオケに、スポーツや旅行などで、ストレスの重圧から離れることが大切です。