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2024年01月15日

鍼灸について詳しく:鍼治療の効果と仕組み

鍼灸治療

鍼灸について詳しく:鍼治療の効果と仕組み

 


    鍼灸とは

    鍼灸「はり・きゅう」または「しんきゅう」と呼び、症状・疾患に適した経穴(ツボ)に金属の細い針を刺入したり、艾(もぐさ)を燃焼させ、生体に刺激を加えることで、元々身体に備わっている病気を治す力を高め元気にする治療法になります。

     


    鍼灸の歴史

    鍼灸の歴史は東洋医学あるいは漢方医学の一分野として、中国に起源をもつ我が国の伝統医療です。

    6世紀の初頭、飛鳥時代に仏教伝来と同じく渡来したと云われています。

    渡来より明治時代初期まで、鍼灸施術は漢方薬と共に、医学の主な手段として広く人々に活用されていました。

    一方、オランダ医学(今でいう西洋医学)は幕末の頃に伝来し、その後、少しずつ国民に普及していきました。

     

    明治7年(西暦1874年)、時の明治政府は日本においても近代的な医事衛生制度を導入すべく、西洋諸国の医事制度を模範とした医制を制定しました。

    それによって、医学の主流は西洋医学に移り変わり、鍼灸・漢方は非合法化となってしまいました。

    このとき鍼灸・漢方が非合法化された理由として、政府の欧米化政策による影響が大きいのですが、戦場などで受けた外傷に対しては西洋医学の外科的処置の方が役に立つといった実践的理由があり、その反面 鍼灸・漢方が軽視されたためとも云われています。

    しかしその後、鍼灸・漢方の効果が認められる事となり、明治35(西暦1902年)年に合法化されました。

    近年では、昭和46年(西暦1971年)の鍼麻酔手術 報道をきっかけに、世界中の公的な医学研究所・医科大学・鍼灸大学や医療機関などで科学的な研究がなされ、今日まで鍼灸の多くの効果が証明されてきました。

    そして現在、鍼灸施術は西洋医学における医療費の高額化や副作用の問題などの欠点を補う治療法として、また 鍼灸の持つ免疫の活性化・血行改善・恒常性機能亢進などの作用から健康維持・増進が期待できる治療として注目され、アメリカやヨーロッパでは鍼灸の利用が非常に盛んになっており、今ではむしろ日本の方が鍼灸の普及に遅れをとっているという状況にあります。

     

     


    鍼灸治療とは

     

    鍼灸院では、患者さんが来院されたら、まずは来院されるきっかけとなった症状・部位・発症の原因・経過を伺い、その後 視診・脈診・腹診・舌診・触診など東洋医学的検査、法的に可能な西洋医学的検査も実施します。

    それらの情報から鍼灸が適応か否かを判断し、病状や体質の診たてを行い適切な経穴(ツボ)に鍼や灸を施します。

    古来より日本の鍼灸治療には流派のようなものが様々に存在していて、それぞれの鍼灸師が学んできた流派の教えに沿って東洋医学的な診断を行います。

    施術に関しても[経穴の選択][鍼の刺し方][灸のすえ方]など、「今回の症例は鍼で施術すべきか、いや灸を行うべきか?」という具合に、症状に合わせて良いとされる方法を行います。

     

     


    鍼施術について詳しく

     

    極細のステンレス製あるいは銀製・金製の鍼(長さ約15mm~90mm、太さ直径約0.10mm~0.30mm)を用いて、身体に刺入します。

    まず、鍼先で皮膚を破るのですが、それは主に管鍼法(かんしんほう)で行います。

    管鍼法とは、江戸時代前期に杉山和一により創始されました。

    杉山和一 古い自画像

    鍼よりやや短い鍼管と呼ばれる金属もしくはプラスチック製のストロー状の管に鍼を挿入し、わずかに出た鍼の頭(柄の部分)を軽く叩く事で鍼の刺入を容易させ、かつ患者に対しての痛みを軽減しながら刺入できる日本独自の手法です。

    鍼管を使わず、鍼の柄の部分を親指と人差し指でつまみ、すばやく刺入する撚鍼法(ねんしんほう)という方法もあります。

    日本人は鍼刺激に対して敏感な傾向がある故、中国本土での施術方法では過剰刺激になるのではと考えられ、ソフトな鍼の刺入方法が確立されたと言われています。

     


    皮膚を通過した鍼は適切な深さまで体内に入りますが、その際、術者による繊細な手技が行われます。

    その手技は、

    ・目的の深さまで刺入し直ぐに抜く単刺術(たんしじゅつ)

    ・刺入中もしくは目的の深さまで刺入して、スズメが餌をついばむが如く鍼を上下に動かす雀啄術(じゃくたくじゅつ)

    ・刺入した鍼を回旋させる回旋術(かいせんじゅつ)

    ・鍼を指ではじいてプルプル振動させる振せん術(しんせんじゅつ)

    ・刺入した鍼をそのまま10~15分間とどめておく置鍼術(ちしんじゅつ)

    など、様々な技法があります。

     

    他にも刺入した鍼に電極をつなげ低周波(電気)を流す方法もあり、いずれの方法も消炎鎮痛効果筋緊張緩和血液循環の改善などに効果のあることが証明されています。スポーツ鍼灸や美容鍼灸でも多く利用されます。


    ・鍼を刺入せず専用の道具で皮膚を摩擦・接触・押圧するだけの鍉鍼(ていしん)という施術法もあり、小児の夜尿症・夜泣き・疳虫・風邪予防などの治療には、おおよそこの方法を用います。

    ・置鍼した鍼の柄に球状の艾を差して燃焼させ、鍼の物理的刺激灸の温熱刺激を同時に与えようとする灸頭鍼(きゅうとうしん)という方法もあります。


    現代では、衛生観念上 使い捨ての鍼を用いるのがほとんどです。

    一部では金製の鍼(特注で高額)が体への刺激がソフトで好まれると言う事もあり、患者さんに個人用として購入していただき、来院時にはそのキープしてある金製鍼を使用し、施術後は滅菌消毒をして保管する院もあります。

    数回使用すると金属疲労を起こす可能性もあるので、安全を考慮して多重使用は行いません。

    鍼灸院の開設には高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)の設置が義務付けられており、刺さない鍼やシャーレなどはすべて滅菌・消毒がなされており、安心・安全に施術が受けられるようになっています。ただし、使い捨てのはりを使用する場合には、使用済みのはりの保管及び廃棄を安全な方法で行うこと。以上、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関する法律施行規則第 25 条による 

     

     


    灸施術について詳しく

     

    お灸とは、艾(もぐさ)を用いて経穴に熱刺激を加える方法で、昔でいう「やいと」と呼ばれることもあります。

    方法として、艾(もぐさ)を直接 皮膚の上で燃焼させ、灸の痕(あと)を残す有痕灸(ゆうこんきゅう)と、灸の痕を残さない無痕灸(むこんきゅう)の大きく2つに分けられます。

    有痕灸には、

    ・良質の艾を糸状~半米粒ほどの大きさの円錐状に捻り、直接 皮膚の上で燃焼させる透熱灸(とうねつきゅう:熱量 やさしめ

    ・イボやウオノメを灸の熱で焼き切る焦灼灸(しょうしゃくきゅう:熱量 強め

    があります。

     

    ひと昔前は伝統的な技法として、親指の先ほどの大きな艾を直接 皮膚上で燃焼させ、あえて火傷を作らせ、その上から膏薬を貼り付けて化膿させることで免疫細胞の活性化をはかる打膿灸(だのうきゅう)などがありました。

    皮膚上で艾を燃焼させる灸の施術法は、日本でも古くから盛んに行われてきた方法であり、豊臣秀吉をはじめ 多くの戦国武将たちが健康のために日頃から灸をすえていた事や、松尾芭蕉が奥の細道で三里のツボに灸をすえながら足の疲れを癒し旅をした事はとても有名ですね。

    膿や毒素、汚れた血液(於血)の排泄を促す考えは、古くから世界中の医学の主流でした。切開や吸出しなどの方法が他国では主でしたが、日本以外でこのようにお灸を用いて施術を行っている国は、非常に限られていたとされています。

    近年の日本では灸の痕が出来る事から外観上の問題を問われることも増え、あまり行われなくなってきましたが、免疫活性に対して非常に効果のあることが証明されている技法のひとつです。

     

    無痕灸には、

    ・米粒ほどの艾(もぐさ)を直接 皮膚の上で燃焼させ、患者の気持ち良い熱さに達したら、消火あるいは艾を取り除く知熱灸(ちねつきゅう)

    ・艾を皮膚から距離を置いて燃焼させ、輻射熱で温熱刺激を与える温灸(おんきゅう)※箱灸など

    ・皮膚の上にスライスした生姜・にんにく・味噌・塩などの介在物を置きその上で艾を燃焼させ、介在物そのものの栄養素を経皮吸収を助ける隔物灸(かくぶつきゅう)

    などがあります。

    その他、艾や火を使用しないセラヒックヒーター式や電熱 機械式の灸などもメーカーから考案されています。

     


    その他、補助的な治療法について

    鍼灸院によっては鍼灸以外にも、遠赤外線や赤外線レーザーを用いた治療機器、低周波治療器、吸い玉(カッピング)、テーピングなどを用いた治療、運動療法や薬膳や食事療法などを含めた、生活全般のアドバイスを行なう治療院もあります。

     


    鍼灸の治療適応症

    背伸び 女性

    肩コリ、腰痛、神経痛、関節痛などに適応いたしますが、鍼灸は多くのつらい症状や病気に効果が期待できます。

    一般にはあまり知られていませんが、鍼灸には血液循環を良くしたり、免疫細胞の増加・活性化に作用があります。
    また、内臓の働きを調節する自律神経を整え、身体の持つ恒常性維持機能(健康を維持する働き)を高める働きもあります。
    ですので、はじめは腰痛や肩コリで来院されても鍼灸治療を受けているうちに
    • 風邪を引きにくくなった

    • 身体が軽い

    • 体調が良い

    • よく眠れるようになった

    • 食欲が出た

    • 便通が良くなった

     

    など体調の変化を実感され、お悩みの症状が無くなってからも病気の予防や健康の維持・増進を目的として、定期的に鍼灸院に通っわれる方が多いです。

    また近年の医療分野ではEBM(Evidence-Based Medicine:根拠に基づいた医療)という新しい研究手法が取り入れられ、鍼灸の分野でもEBMの手法にのっとり研究が進められています。
    その中で様々な症状や疾患に対して、鍼治療と西洋医学的治療の効果や有用性を比較した研究もあり、特にドイツやアメリカでは、緊張性頭痛・片頭痛・膝関節痛・腰痛の4つの疾患について、莫大な公的資金を使った大規模な比較研究が行われました。
    その結果、片頭痛の有効性だけは鍼治療と最新の西洋医学的治療がほぼ同等でしたが、その他3疾患の有効性と、片頭痛を含む4疾患すべての安全性、経済性は鍼治療の方が優れているという結果が報告されました。
    その報告があって以降、ドイツ・米国では鍼治療に保険が適応されるようになりました。

    鍼灸がなぜ効くのだろうか?

     

    人間の体には病気やケガを自分で治す自己治癒力や、外から入ってくるウイルスや菌から身を守る免疫力が備わっています。

    身体組織にそれらの傷害を受けると自己治癒力や免疫反応が作用し、体に様々な反応が起こります。

    例えば、血管を広げさせて酸素や栄養を多く含んだ新鮮な血液を呼び込んで新陳代謝を高めることや、ウイルスや細菌などの異物と戦う白血球を呼び寄せ、傷付いた部位から感染する事を防いだりします。

    鍼灸治療はこのような生理反応に作用して、皮膚や筋肉に対して目には見えないレベルの非常に微細な傷や小さな火傷を作り、皮下組織や筋肉の血液循環を改善して肩こりや腰痛を治したり、傷害を負った部位の修復を促します。

    免疫でウイルス撃退

    また、人間の体には痛みを抑制する為の、様々な仕組みが備わっています。

    ぶつけらり、切り傷など咄嗟に痛いところを押さえたり擦ったりすると痛みが和らぐ(疼痛閾値の緩和作用)、元気な時や気分が良い時や楽しい事をしている間は、自然と痛みが気にならないなど、誰もが経験あるのではないでしょうか。

    鍼灸の刺激には、このような痛みに対して抑制する働きのきっかけとなり、その結果として鎮痛効果を発揮します。


    また体には皮膚や筋肉などに刺激が加えられると自律神経の活動が変化して、自己意識では調整できない自律神経が支配する臓器・器官の働きが反射的に調節される仕組みを持っています。

    鍼灸の刺激が入ることにより、自律神経活動を変化が生じて、血管の調節をしたり臓器の働きを良くしたりします。

    その結果、血圧の調節や、ホルモンバランスが整えられ、免疫系が活性化したりなど全身での広い作用が引き起こされます。

    ですから、継続的に鍼灸治療を続けていると体調をキープしたり、病気になりにくくなるのです。

     


    経穴とは

     

    経穴(けいけつ)とは「ツボ」と呼ばれ、人の体には361箇所のツボが存在すると言われています。

    東洋医学の長い治療の歴史の中で、数多の経験から鍼灸や指圧で刺激する事で、体の反応や症状が特に良くなる部位が見つけられ、現代まで使われてきました。

    鍼灸治療には、このツボ刺激による効果(特異的効果)鍼や灸の刺激による効果(非特異的効果)とがあり、現在においても世界中で研究がされています。

    灸の刺激が生体に及ぼす非特異的効果は、先述にある“鍼灸がなぜ効くのだろうか”のところでご説明したように、現代の科学により証明されているものが数多くありますが、ツボ刺激による特異的効果についてはまだ十分に解明されていない部分もあります。

     

     


    鍼灸師の資格

     

    日本において鍼灸施術を行う際には、[はり師]・[きゅう師]それぞれのの国家資格が必要です。

    国家資格の取得には、高等学校卒業後、[鍼灸専門学校][鍼灸大学][視覚障害者の為の教育機関]に3年以上通う事が必要となります。

    各専門学校・大学において医学知識と鍼灸技術を習得→学校にて定められた卒業試験に合格→国家試験に合格すると[はり師・きゅう師]の国家資格が取得できます。
    公財)東洋療法試験財団のwebサイトを参考に

     

     


    健康保険で鍼灸治療は受けられますか?

    首腰肩膝の痛み イラスト

    健康保険を利用して以下の病気については鍼灸治療が受けられます。

    1. 神経痛 … 坐骨神経痛・三叉神経痛など
    2. リウマチ … 慢性で各関節が腫れて痛むもの
    3. 腰痛症 … 慢性の腰痛
    4. 五十肩 … 肩の関節が痛く腕が挙がらないもの
    5. 頚腕症候群 … 頚から肩、腕にかけて痺れて痛むもの
    6. 頚椎捻挫後遺症 … むち打ち後遺症など

    その他これらに類似する疾患など。

     


    保険治療を受ける際の手続き

    女性医師 イラスト

    ①鍼灸院に保険の取り扱いをしているかお問い合わせ下さい。

    ②保険取り扱いをしているなら、その鍼灸院で「同意書」の用紙を受け取ってください。

    ③同意書を日常で受診されているかかりつけ医院や病院等にお持ちいただき、担当医に必要事項を記入していただく。

    同意書の代わりに、病名・症状および発病年月日が明記され、鍼灸治療が適当であるとの医師の診察内容が書かれている診断書でもかまいません。


    ④記入済みの同意書(診断書)保険証を鍼灸院にお持ちいただければ、その後の手続きは鍼灸院が行います。


    ⑤鍼灸院では毎月、保険の書類(療養費支給申請書)を作成しますので、その内容をご確認いただき、押印またはご署名をいただきますようお願い致します。

     

     


    鍼灸施術を受ける際の保険適応について注意点

     

    • 病院やクリニック等の医療機関で治療を受けている病名と同意書に書かれている病名が同じ場合、医療機関の保険利用が優先されますので、鍼灸治療を健康保険では受けられません。
    • 同意書については、日頃から通っているかかりつけの主治医に記入してもらうこと。
    • 同意書をいただいてから6ヶ月経過する毎に、新たな同意書が必要です。(鍼灸治療を継続する際)
    • 加入されている健康保険の種別によっては、患者さんご自身で手続きをしなければならない場合もありますので、詳しくは鍼灸院にお問い合わせ下さい。

     

     


     

    ◇美容鍼の予約画面へ
    https://www.shinq-yoyaku.jp/salon/30349/


    ◇HARISのGoogleページ
    https://g.page/haris-acu/review/

     

    シム院長

    [ブログを書いた人]
    Shim シム院長

    子供3人のパパ先生
     

    数あるサロンの中から当店のページをご覧頂きありがとうございます。
    整形外科勤務で培った医学知識と技術で、症状改善に取り組みます。
    【国家資格保有】専門機関との提携、技術指導の経験を活かし納得のいく施術を目指しております。
    皆様のご来店、心よりお待ちしております。
    予約 貸切で施術を行うので、落ち着いた空間で鍼・整体などの施術を行います。
    産後ケアを行いたいお母さん、お子さんが泣いて騒がしくても構わないので、不調を我慢せずお越しください。


    今までの整形外科や鍼灸院での臨床での経験と知識を生かし
    【一人でも多くの人に美と健康を届けたい】
    そういう思いでこの院を立ち上げました。

    【一人の幸せから、みんなも幸せになる】
    そう思いませんか?

    世の中が笑顔満ち溢れるって素敵ですよね♪

    みなさんが、笑顔になれるよう精一杯施術に励みます。
    『ホッと一息つきたい』そんな時はHARISへどうぞ。


    【職歴】20年
    鍼灸整骨院⇒整形外科(守口市)⇒整形外科(住吉区)⇒開業(2017年4月)

    【資格一覧】
    〇鍼灸師
    〇柔道整復師
    〇AEAJ公認アロマ検定1級
    〇AEAJ公認アロマアドバイザー
    〇パーソナルトレーナー

    【趣味】
    ・魚釣り:ルアー、ジギング、エサ釣り(歴30年)
    ・キャンプ
    ・バイク(大型二輪免許)
    ・筋トレ
    ・柔道
    ・バレーボール